歴史に興味を持つ女性「歴女(れきじょ)」、歴史に詳しいアイドル「歴ドル」が登場するなど女性の歴史ブームを生んだアクションゲーム「戦国 BASARA」(カプコン)。4月には初のPSPタイトルとなる「バトルヒーローズ」が発売され、テレビアニメの放送も始まった。カプコンの小林裕幸プロ デューサーにヒットの秘密を聞いた。【立山夏行】
--「戦国BASARA」が生まれたわけは。
元々戦国ものが大好きだったので、戦国武将が活躍するアクションゲームを作ろうと思ったのです。格闘ゲーム「ストリートファイター2」のように、 生き生きとしたキャラクターが、それぞれの個性を生かした技を繰り出す作品にしようと思いました。武田信玄はパワーファイター、伊達政宗は6本の太刀(た ち)を振り回すスピードタイプというように、キャラクターのイメージをとらえて、そのままゲームに反映させました。
--女性ファンが多いことは想定していましたか。
メーンはアクションゲームが好きな男性だろうと考えていたので、ここまで女性ファンが付いたのは予想外でした。「2」の発売前に店頭体験会を行っ たのですが、特に著名人が来るわけでもないのに、女性の参加者が多かったんです。ファンイベント「BASARA祭り」の来場者もほとんど女性だったのには 驚きました。
--女性の心をつかんだ理由は。
キャラクターの魅力でしょう。政宗のような格好良いヒーローがいて、織田信長や豊臣秀吉のようにしっかりした悪役がいる……というように 「BASARA」ならではの独自の解釈を加えながら、子供から大人まで楽しめる少年マンガのノリでキャラクターを作っていきました。また、カプコンのゲー ムは、ちょっと高めの「ハードル」を設定して、それを超えさせて達成感を感じてもらう作品が多いのですが、「BASARA」では、ボタンをたたくだけでも クリアできるなど、なだらかな坂を登っていくようなゲームの作りにしたことも良かったのでしょう。
--キャラクター作りで気を付けた点は?
女性受けを考えたわけではありませんが、女性に嫌われないようにしようという気持ちはありました。例えば、筋肉モリモリの男っぽいキャラクターは やめようとか、敵を攻撃しても血が流れないようにするなど、嫌悪感を抱かれる可能性がある要素はできるだけ省いていきました。声優は、いずれも主役クラス の人気を誇る方ばかりですし、その人気に支えられているところもありますが、キャラクター自体の人気も高いんですよ。
--女性ファンならではの特徴はありますか?
友人にゲームを薦めるとき、男性であれば「このゲームいいよ」というのが普通ですが、ソフトを貸すまで行くのは意外と多くないんです。ところが女 性は「○○ちゃんでもできるよ」と言いながら気軽にソフトごと貸すのが当たり前で、ゲーム機の本体ごと買って上げる人が少なくないそうなんです。男性のよ うにゲームソフトを純粋に遊ぶというより、コミュニケーションのためのツールとして使っている感じですね。新作ゲームで、武将の追加要望の意見を出すとき に、「自分の好きなキャラクターの部下や仲間、ライバルなど『周囲の人』を出してほしい」という意見は、女性ならではだと思います。
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