「PS3 and NDS, the Two Extreme FINAL FANTASY Series」
GDCのオーディオセッションでは、ここ数年、SMILEPLEASEの植松伸夫氏や任天堂の近藤浩治氏、ベイシスケイプの崎元仁氏など、著名なサウン ドクリエイターを招いて、その哲学をレクチャーするのが恒例となっている。今年は、スクウェア・エニックスのコンポーザー兼シンセサイザーオペレーターの 鈴木光人氏が登壇し、鈴木氏がアレンジャーとして担当したニンテンドーDS「光の4戦士 -ファイナルファンタジー外伝-」とPS3「ファイナルファンタジー XIII」の音楽についてレクチャーを行なった。
■ 「光の4戦士 -ファイナルファンタジー外伝-」は原点回帰路線の“チップチューン”アレンジ
スクウェア・エニックスのコンポーザー兼シンセサイザーオペレーターの鈴木光人氏 |
スクエニ入社後も作曲家としての活動は継続している |
「光の4戦士 -ファイナルファンタジー外伝-」は原点回帰路線のRPG |
デモでは、昼と夜で、同一シーケンス内で曲を切り替えるという内蔵音源独自の取り組みが披露された |
鈴木氏は、スクエニでのキャリアはわずか5年ほど。それ以前はOVERROCKETというユニットでテクノポップ系の音楽活動を行なっていた。ゲーム業界内よりむしろ外でのほうが名の知れ渡っているアーティストだ。
スクエニ入社後は、「ファイナルファンタジー」シリーズを中心に楽曲制作に携わり、近作は「パラサイトイブ」のコンポーザーとしてサウンドディレクショ ンを担当している。“鈴木光人”としてソロ活動も行なっており、ユーストリームを通じてライブを開催したり、スクウェア・エニックスのレーベルからCDも 発売している。
自己紹介を終えた鈴木氏は「今日はロジック的な話や難しい話は抜きにして、ザックリとしたざっくばらんな話をしたい」と切り出し、「本日、私が今回もっとも言いたいのはモノを作るときに固定概念や制約に縛られないこと」と結論から入った。
「私のサウンドデザインの大半は即興から生み出されるモノが大変多く、冒頭の演奏もそうなんですが、即興から生み出したものを効果的に配置するところか ら始まっている。固定概念ではなく、制約から解放された自由な制作スタイルをいつも基本理念として音作りをしています」と、テクノポップ系らしい“即興” スタイルで音楽制作していることを披露した。
鈴木氏は「リアルタイム編集は時として自分の想像を遙かに超えたものを生み出す可能性を秘めている。思いついたら実践実行なので、机上の空論というものは存在しない。今回は2つの開発を通して実践過程と結果について紹介したい」と宣言し、本論に入った。
アーケードゲーム、家庭用ゲーム、ポータブルゲーム等の各種ビデオゲームはハードが違えば仕様や表現方法も大きく異なる。PCやPS3、Xbox 360なら、ほとんど制約のない音作りが可能だが、ポータブルマシンやモバイル端末では依然として厳しい制約の中で音作りをしなければならない。中でも内 蔵音源は制約の中で音作りをする上で切っても切り離せない存在であり、職人芸が生きている。このためスクエニでは作家が作曲した楽曲を、内蔵音源に変換す る専門のスタッフ“マニピュレーター”がいるという。
続きはこちら・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿