
09年は、「アイドルマスター」や「ときめきメモリアル」などの美少女・恋愛ゲームが登場し、新機軸の「ラブプラス」もヒットした。エンターブレ インの調べでは、「美少女・恋愛ゲーム」が5年間で最も売り上げを上げたという。好調の理由は……。【河村成浩】=ゲーム販売数はいずれもエンターブレイ ン調べ
美少女・恋愛ゲームは、94年の「ときめきメモリアル」(コナミ=当時)が大ヒットし、一躍注目を浴びた。キャラクターが音声でしゃべり、自身の 能力を磨いて美少女から告白されることを目指すという斬新な演出が話題となった。95年に「プレイステーション」などに移植されてブレークし、その後は他 のゲーム会社も追随、ゲームがテレビでも取り上げられるほどだった。
00年代に入り、美少女・恋愛ゲームが多数発売されるようになって売り上げは伸び悩んだ。「ファミ通」の長田英樹編集長は、美少女・恋愛ゲームの 売れ行きについて「熱心なファンが支えている市場の決められたパイを奪い合う。堅実な半面、ヒットは生まれにくい状況でした」と明かす。
そんな中、07年に「アイドルマスター」(バンダイナムコゲームス)が登場した。恋愛ではなく、自身がプロデューサーとなってアイドルを育てると いう内容で、自身が手塩にかけた美少女キャラクターが踊って、歌う姿にファンは熱狂した。Xbox360版は、キャラクターのコスチュームのダウンロード 販売だけで約1億円も売り上げ、ブームが本格した08年には、「美少女・恋愛ゲーム」の販売本数が前年の約118万本を上回る約140万本を記録した。長 田編集長は「アイドルマスターの登場が、いままでの美少女・恋愛ゲームの手法を見直すきっかけになり、そこから意欲作が花開いた」と分析する。
09年には、「ときめきメモリアル」を生んだコナミデジタルエンタテインメントがDS用ソフト「ラブプラス」を発売した。これまでの美少女・恋愛 ゲームはヒロインと恋人になるまでの過程をゲーム化していたが、「ラブプラス」は恋人になってからの2人の世界を中心に描いた新機軸で、9月に発売され、 インターネットの掲示板で自分の“彼女”自慢する書き込みが盛り上がるなど話題となり、約18万本を売り上げた。クリスマス前の12月23日には、東京の 六本木、原宿、高円寺の店舗で100人限定の特製ケーキが売り出されたが、開店2時間前に“完売”する人気ぶりだった。
長田編集長は「美少女ゲームは新作が売れない傾向にあり、これだけ売れたのは奇跡的。過去の美少女・恋愛ゲームは『恋人をテーマにすると、告白などのメリハリがなくてゲームにしづらい』という開発者側の理由で避けていたことを逆手に取った」と話す。
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