あどせんす!

2010年1月19日火曜日

プロ機で培ったノウハウとこだわり満載の32bitDAC搭載ヘッドホンアンプ・フォステクス「HP-A7/A3」を聴く

プロ機で培ったノウハウとこだわり満載の32bitDAC搭載ヘッドホンアンプ・フォステクス「HP-A7/A3」を聴く

プロ用オーディオやスピーカーユニット製作で高い実績とノウハウを持つフォステクスから、こだわりの詰まった本格 的な32bitDAC内蔵ヘッドホンアンプ「HP-A3」「HP-A7」が登場した。ヘッドホンはもちろん、USB-DACやプリアンプなどさまざまな用 途で活躍が期待できる両製品を、岩井 喬氏がレポートする。

■待望のヘッドホンアンプ「HP-A3」「HP-A7」がついに登場

コンシューマー・オーディオの世界でフォステクスといえば「G2000」を頂点とするスピーカー、若しくは歴史あるフルレンジユニットなど、自作派には馴 染みの深いスピーカーユニットブランドである。一方、プロフェッショナル・オーディオにおいては、音質はもとより耐久力に優れたレコーダーやミキサー、パ ワードモニターなど、コンシューマー以上にその名が定着している感がある。フォステクス自身でもヘッドホンを手がけているが、ブランドの母体である「フォ スター電機」ではOEM専業メーカーとして、ヘッドホンやスピーカー、マイクロフォンの製造で高いノウハウを持っている、高い信頼を置けるブランドだ。

HP-A3(左)HP-A7(右)
そ うした背景を持つ同社から、ヘッドホンアンプ「HP-A3」「HP-A7」が登場した。昨年の「秋のヘッドホン祭2009」やCEATEC、 InterBEEで出展され、注目されている方も多いであろう。今回、プロ機からの流れも汲んだ妥協のない本格的な製品となっている2機を試聴した。両機 とも、様々なヘッドホンでチューニングを実施したそうであるが、なかでも試作段階で繰り返し試聴を行ったというゼンハイザーのヘッドホン「HD650」を メインモニターとして、それぞれのヘッドホンアンプにおけるサウンドチェックを行った。
※なお試聴は音質最終調整モデルで行ったため、一部写真で製品の外観が量産機とは異なります。

【試聴ソフト】
●『Pure~AQUAPLUS LEGEND OF ACOUSTICS』(F.I.X.:KIGA2、略称:AP)
●レヴァイン指揮/シカゴ交響楽団『ホルスト<惑星>』
(ユニバーサル・グラモフォン:00289 477 5010、略称:レヴァイン)
●オスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』(ユニバーサル:UCCU-9407、略称:オスカー)
●TOTO『TAMBU』(ソニー:SRCS7818、略称:TOTO)
●千葉紗子『Winter Story/snow』(ランティス:LACM-4111、略称:千葉)



■メリハリある快活な音を聴かせる入門機「HP-A3」
- 高品位な部品を詰め込んだハイCPモデル


HP-A3
PCやデスクトップスピーカー、ヘッドホン、iPodなどさまざまな機器と使用できる
ま ずヘッドホンアンプ入門機としても最適な「HP-A3」であるが、USBバスパワーで駆動できるコンパクトな筐体が特徴となっている。サウンド性としては メリハリの効いた快活なもので、低域の重厚さと高域の華やかさが際立つ。全帯域明瞭でスカッとした音ヌケの良さも味わえる。「AP」ではむっちりとした ベースと、ハリ良く粒が細かい鮮やかなストリングスの対比、そして艶やかで潤いを感じるボーカルの程よい肉厚さのバランスが良い。音場はすっきりと澄みわ たっており、「レヴァイン」でもスムースなホールトーンを味わえる。こちらは重厚なホーンの響き、ティンパニのアタックにおける皮のテンション感が鮮明に 感じ取れた。

試聴をおこなう岩井氏。試聴にはチューニング時にも使用されたゼンハイザー「HD650」を使用
「オ スカー」ではウッドベースの振幅感、弦のハリも充分。胴鳴りは量感良く膨らむ。ピアノは細やかに粒が転がるようなプレイ感で、タッチは鮮明だ。スネアのブ ラシは強めである。「TOTO」のボーカルはほのかな肉付きを感じるが、コーラスも含めクリアでスリムな描写。ギターは分離良くスカッと抜けきる。ドラム の押し出しはキレがあり、どっしりと響くローエンドとシンバルの煌びやかさのバランスが心地良い。「千葉」のボーカルはソリッドで、エレキのクリーントー ンもエッジはクッキリと描く。コーラスも煌き、ピアノはハードな響きである。どんなジャンルでもそつなくこなす印象であるが、音場の広さは価格相応で、録 音の悪いものであっても気持ち良い爽快なサウンドに変えてくれるようだ。コストパフォーマンスの高いサウンドであることには間違いない。

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