あどせんす!

2009年8月4日火曜日

ゲーマーにとってのまさに“故郷” 『イースI&IIクロニクルズ』インプレッション

ゲーマーにとってのまさに“故郷” 『イースI&IIクロニクルズ』インプレッション

●名作RPG『イースI&II』がPSPで蘇る

 国内RPGの礎を築いたRPGの名作がPSP(プレイステーション・ポータブル)で蘇る! この日本ファルコムより発売中の『イースI&IIクロニクルズ』を、オリジナルの代から遊び倒したというライター戸塚伎一が溢れる思い入れを持って語る!

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▲本編の主人公、アドル・クリスティン。


●ゲーマーの故郷としてのイース

 1980年代と10代がほぼシンクロしていた私のような、幾分年齢のいったゲーマーにとって、『イース』およびその続編『イースII』(以下、『イースI&II』)は、特別な意味をもつタイトルである場合が多いようです。

  私にとって『イースI&II』のゲーム世界は、“故郷”のような存在としてつねに胸の奥のほうにあります。いろいろあった末、最終的に帰り着く場所……と いうよりは、何かのきっかけにふと思い出しては、ひとときのノスタルジアに浸れる場所……といった位置づけでしょうか。“フーテンのゲーマー”として、そ こにもう自分の居場所がないことは、じゅうじゅう承知の上です。

 それでもたまに、ぶらりと赴き顔を出してみたくなる時があります。さくら、ではなくサラにお線香あげに行かなくちゃ、とかあれこれ理由をつけて初めて“里帰り”したのが、いまから約10年まえ。ウィンドウズPC用のリメイク作第1弾『イース エターナル』を購入し、グラフィックがきれいになったゲーム世界をうろついてみたのですが……コウモリのボスキャラがどうしても倒せなくて、そのままやめてしまいました。

 当時は「やはり故郷の思い出は、美しい記憶のままに留めておくべきだ」と割り切ったのですが、いまにして思えば、ちょっと根性がなかった気がします。

  さて、今回インプレッションする『イースI&IIクロニクルズ』は、2001年にリリースされたウィンドウズPC用のリメイク作『イースI・II完全版』 をベースにした作品です。単に『イースI&II』のリメイク最新作としてどうこうだけでなく、約20年ぶりに滞在することになった“故郷”の居心地がどん なものかについても確かめていきたいと思います。

●当時の面影を残した上での変化

 本作は、『イース』と 『イースII』の“オリジナルに忠実なアレンジモード”をそれぞれ単独でプレイできます。ストーリー自体はダイレクトに繋がっているので、順番にプレイす るのが定石ですが、あえて『?』から手をつけることも可能です。この時点ですでに、「いったいどんな冒険が展開するんだろう」とワクワクしながら始める新 規ユーザーよりも、過去に何らかの形で『イースI&II』をプレイした経験者重視の作品ということがうかがえます。

 まずはふつうに『イース』を選択。シンプルながら神々しいタイトル画面と、耳になじんだオープニングテーマのメロディーに、「帰ってきたなぁ」という実感がわき上がります。

 いざ本編が始まると、マップのどこらへんに何があって、何をどういう順番でこなしていけばいいかの記憶が、おぼろげながら蘇ってきます。

  『イース エターナル』以前の作品でプレイしたきりのユーザーにとっては、いきなり見覚えがない街に放り出されて面食らうかもしれませんが、これはプロローグ・ス トーリーの再現。呪われし地エステリアに漂着した新米冒険家“アドル”が港町で看病され、オリジナル版のゲーム開始地点であるミネアの町に向かうまでを実 際に体験できる……というわけです。

 初期のパソコン版では、しっかりした製本のユーザーズマニュアルに小説チックに記されていて、それはそれでイマジネーションを刺激されたものですが、新規ユーザーのとっつき易さも考慮すると、本作のリメイク手法は妥当だと思います。

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